【中学受験対策にもおすすめの本】講談社児童文学新人賞受賞作品を読んでみた

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本記事では中学受験の国語に出題されることも多い「講談社児童文学新人賞」を受賞した本について調べてみました。

児童文学新人賞とは?

株式会社講談社が主催する児童向けの童話からヤングアダルト小説を対象とした児童文学の新人賞です。1959年に講談社創立50周年記念の文学賞として創設されました。毎年2月から3月ころに募集され、同年の10月ころ最終審査結果が発表になります。

過去には、中学受験の頻出作家のひとりである森絵都さん『リズム』や椰月美智子さん『十二歳』、福永令三さん『クレヨン王国の十二カ月』など、数多くの作家を輩出している児童文学作家の登竜門となっている文学賞です。

児童向けの作品を対象としてた文学賞のため、主人公は小・中学生、もしくは高校生などの場合が多く、中学受験の国語でテーマとなりやすい、友情や家族、文化や社会交流などが描かれています。

第62回(2021年度)児童文学新人賞受賞作品

「黒と白の対角線 ~おりがみおとぎ草子~」 鳥美山貴子

第62回(2021年度)の新人賞受賞作品は、37歳の主婦の方が書かれた折り紙を主題としたファンタジー作品です。まだ書籍は出版されていませんが、講談社のホームページであらすじが紹介されています。折り紙の生き物たちが動きだすというファンタジーでワクワクする作品ですね。

古い神社がひっそりと眠る黒爪山で、ふしぎなとかげをつかまえた小学六年生のゆうま。黒とかげはつかまえたとたん、おりがみへと姿を変えてしまった。町のおりがみ教室へ持っていったゆうまだったが、そのせいで先生がとかげといっしょに姿を消してしまう。
ゆうまはおりがみオタクのけいとと共に、神社にいた老人の助言をもとに黒爪山にのぼることに。そこには白銀の龍をはじめとした、命をふきこまれた紙の体を持つたくさんの生き物が住んでいた。
先生を救い、災いを食い止めるため、ゆうまとけいとは古びてしまった龍の新しいうろこを千枚作ることを約束し、うろこを作り上げようとするが……。

(講談社ホームページより)

過去の児童文学新人賞受賞作品

近年の受賞作品を中心に中学受験でも出題された作家や作品をご紹介します。児童向け作品の文学賞なので、中学入試対策や夏休みの読書など小中学生におすすめの作品です。

「境界のポラリス」(中島空) 第61回(2020年度)佳作

第61回は新人賞は受賞該当作品がなく、「境界のポラリス」は佳作入賞した作品です。2021年10月に出版されました。

中国生まれ日本育ちの女子高校生が、バイト先で知り合った中国文学を学ぶ大学院生を通じて、日本語学校でボランティアをするようになる。自身のアイデンティティに悩む主人公と日本に住む同世代の外国人の交流を通して、異文化交流の課題や中国籍を持った少女の成長を描いた物語です。

「保健室経由、かねやま本館。」(松素めぐり) 第60回(2019年)新人賞受賞

保健室から通じる不思議な温泉につかりながら、子どもたちが互いに心を開いていくという物語。2020年6月3日発売されてからシリーズ化されて、2022年1月に第四巻が発売になりました。

「十四歳日和」(水野瑠美) 第59回(2018年)新人賞受賞

いなか町を舞台に、友だち、勉強、部活、夢、様々な想いを抱えた4人の主人公たちの14歳の日常を描いたオムニバス作品です。

「リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュトゥジュ」(こまつあやこ) 第58回(2017年)新人賞受賞

中二の途中で、マレーシアからの帰国子女になった沙弥が、日本の中学に順応しようと四苦八苦しながらも、短歌に出逢い成長していく物語。呪文のような不思議なタイトルもマレーシア語です。

「ラブリィ!」(吉田桃子)第57回(2016年度)新人賞受賞

映画研究会に所属する中学生の主人公の拓郎は、自分が撮った映画がコンクールで賞を取るが、その映画の主演を務めた同じクラスの涼子のことを学校のみんなはブスとばかにしている。だが、拓郎は涼子に不思議な魅力を感じていてしまう……。誰もが気になる「見た目」をテーマにした作品です。

「僕たちのリアル」(戸森しるこ) 第56回(2015年)新人賞受賞

第46回日本児童文芸家協会児童文芸新人賞や第63回青少年読書感想文全国コンクール課題図書、全国学校図書館協議会選定図書などにも選ばれている作品のため、すでに目にしたことがある方も多い作品かもしれません。

 

「十二歳」(椰月美智子)第42回(2001年度)新人賞受賞

「十四歳の水平線」や「しずかな日々」など中学受験に取り上げられることも多い椰月美智子さんの児童文学新人賞受賞作品です。

「リズム」(森絵都) 第31回(1990年度)新人賞受賞

「カラフル」「みかづき」「クラスメイツ」など中学入試で数多くの作品が取り上げられている森絵都さんのデビュー作です。