2020年本屋大賞:凪良ゆう「流浪の月」【ノミネート10作品もまとめて紹介】

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こんにちは、ケセラです。

2020年本屋大賞が発表されました。「本屋大賞」は、書店員の投票で決定するもので、過去一年の間、書店員自身が「面白かった」、「お客様にも薦めたい」、「自分の店で売りたい」と思った本を選び投票します。 過去の受賞作品は映画やドラマなど映像化された作品も多くあり、本好きの方でなくても馴染みのある作品が多いと思います。この記事では、ノミネート作品10作品をご紹介します。読みやすいものも多いですし、この機会に手に取ってみてはいかがでしょうか。

2020年本屋大賞:「流浪の月」(凪良ゆう)

17回目となる今回、大賞に選ばれたのは、凪良ゆうさんの「流浪の月」(東京創元社)でした。凪良ゆうさんは、1973年生まれ、滋賀県の出身。「花嫁はマリッジブルー」で2007年に作家デビュー。BL(ボーイズラブ)作品を多く手がけている作家さんです。

「流浪の月」あらすじ・感想

あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。再会すべきではなかったかもしれない男女がもう一度出会ったとき、運命は周囲の人を巻き込みながら疾走を始める。新しい人間関係への旅立ちを描き、実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。

(引用:東京創元社)

あらすじを読んでもどんな話なのかピンとこないですね。もう少し補足すると、両親を失い親戚から性的虐待を受けていた小学生の更紗と、小児性愛者の19歳大学生の文が出逢い心を通わせるが、誘拐・監禁事件の「加害者」と「被害者」として引き裂かれる。時を経て再会した二人が自分の居場所を見つける話です。

感想がとても難しいです。きっと私が本書で語られる「世間」側に近いのかもしれないです。もし自分の娘が小児性愛者の男性と暮らしていたら、簡単に受け止められるとは思えません。やはり理解に苦しむと思います。しかし、それこそが主人公が感じている「生きづらさ」なのかもしれないなとも感じます。人は簡単には分かり合えない。「分かり合える」と考える方が時に傲慢かもしれない。だからこそ、こんな人間関係もあってもいいんだよと教えてくれる作品でした。文章はとても読みやすく、スラスラといっきに読めますよ。

2020年本屋大賞ノミネート作品

ノミネート作品にも良作が並んでいます。私もまだ全部は読めていないものもありますが、砥上裕將さんの「線は、僕を描く」横山秀夫さんの「ノースライト」は、特におすすめしたい作品です。

2位 ライオンのおやつ(小川糸)

「ライオンのおやつ」あらすじ

男手ひとつで育ててくれた父のもとを離れ、ひとりで暮らしていた雫は病と闘っていたが、ある日医師から余命を告げられる。最後の日々を過ごす場所として、瀬戸内の島にあるホスピスを選んだ雫は、穏やかな島の景色の中で本当にしたかったことを考える。ホスピスでは、毎週日曜日、入居者が生きている間にもう一度食べたい思い出のおやつをリクエストできる「おやつの時間」があるのだが、雫は選べずにいた。

ポプラ社

3位 線は、僕を描く(砥上裕將)

「線は、僕を描く」あらすじ

両親を交通事故で失い、喪失感の中にあった大学生の青山霜介は、アルバイト先の展覧会場で水墨画の巨匠・篠田湖山と出会う。なぜか湖山に気にいられ、その場で内弟子にされてしまう霜介。反発した湖山の孫・千瑛は、翌年の「湖山賞」をかけての勝負を宣言する。水墨画とは筆先から生み出される「線」の芸術。描くのは「命」。はじめての水墨画に戸惑いながらも魅了されていく霜介は、線を描くことで回復していく。そして一年後、千瑛との勝負の行方は。

講談社

ケセラ

作者の砥上裕將自身が水墨画家です。本作がデビュー作で、第59回メフィスト賞受賞されています。水墨画という白黒の世界を描きながら、とても色鮮やかな人生を表現している作品だと思いました。

4位 ノースライト(横山秀夫)

「ノースライト」あらすじ

一級建築士の青瀬は、信濃追分に向かっていた。たっての希望で設計した新築の家。しかし、越してきたはずの家族の姿ではなく、ただ一脚の古い椅子だけが浅間山を望むように残されていた。一家はどこへ消えたの? 伝説の建築家タクトと椅子の関係は? 事務所の命運を懸けたコンペの成り行きは?

新潮社

ケセラ

映画化もされた「64」から6年ぶりの新作です。

5位 熱源(川越宗一)

6位 霊媒探偵城塚翡翠 (相沢沙呼)

7位 夏物語 (川上未映子)

8位 ムゲンのi (知念実希人)

9位 店長がバカすぎて(早見和真)

10位 むかしむかしあるところに、死体がありました。(青柳碧人)

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