辻村深月「ツナグ」・続編「想い人の心得」のあらすじ・映画配信情報

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こんにちは、ケセラです。

以前、「辻村深月作品を読む順番:この順番で読めばより楽しめる、おすすめ10作品」という記事を書きました。その記事では、「おすすめ作品だけど読む順番は関係ないな」と外してしまった作品のひとつに、映画化もされた『ツナグ』があります。2019年に続編となる『ツナグ 想い人の心得』が刊行されました。

それぞれの章でひとつのエピソードが完結するので読みやすく、また、映画化もされたので、なんとなく内容を知っている方は多いのではないでしょうか。

ケセラ

かなり涙もろい方なのであまり基準にならないかもしれませんが、辻村作品の中でも「泣ける」作品です。

この記事では、辻村深月さんの『ツナグ』、その続編『ツナグ 想い人の心得』のあらすじ、また映画版を観られるおすすめ動画配信サービスなど、『ツナグ』の関連情報をまとめてご紹介します。

辻村深月『ツナグ』、続編『ツナグ 想い人の心得』とは

『ツナグ』のあらすじ

第32回吉川英治文学新人賞受賞作。

死者との再会を叶えてくれる「使者(ツナグ)」。死者に会うにはルールがある。生きている人間にとっても死者にとっても会うことができるのはひとりだけ。そして生きている人間が会うことを希望しても、死者がそれを受けなければ会うことはできない。『この世』にいる時と、『あの世』にいる時、1回ずつしかないチャンスなのだ。

そんな生きている人間を死んだ人間に会わせる窓口、「使者(ツナグ)」を祖母から引き継いだ歩美のもとに、たった一度の死者との再会を希望して、様々な依頼者がやってくる。

心の支えになっていた亡きアイドルに会いたいOLの愛美(『アイドルの心得』)、土地の権利書の在処を病死した母親から聞き出したい畠田(『長男の心得』)、交通事故で突然死んでしまった親友に会いたい女子高生の嵐美沙(『親友の心得』)、失踪して生死もわからない恋人を待ち続けている土谷(『待ち人の心得』)。

それぞれが死者に会いたい理由や本当の想いは、始めに本人から語られるものとは違っていて、心にわだかまりや後悔、不安を抱えながら死者と再会する。

そして、歩美自身が会いたい人とはー(使者の心得)。

自分ならば、誰と会うことを願うか……(中略)誰を思い、何を願ったかはともかく、そんな思いを馳せた時点で、辻村深月は、読者にとって使者(ツナグ)になっているのだろう。

(本多孝好「ツナグ」解説より)

ケセラ

この世にはいない「死者」との再会を描いていますが、今生きて目の前いる人との時間を大事にしたいなと思わせてくれる作品でした。また、「解説」を書かれていた本多孝好さんの言葉がまさにピッタリで印象的でした。

『ツナグ 想い人の心得』のあらすじ

続編となる『ツナグ 想い人の心得』は、前作から7年後の設定。社会人になった歩美の成長と、歩美もとに訪れる依頼者たちの物語が描かれている。

『プロポーズの心得』:好きな女性を亡くなった彼女の親友と会わせたい役者のゆずる。ゆずるの職業が「役者」で、好きな子の名前が「美沙」と来て、ピンと来た方も多いはず。前作の「親友の心得」の依頼人だった嵐美沙の7年後の姿が描かれている。

『歴史研究の心得』戦国時代の武将、上川岳満に会いたいと願う元教員の鮫川老人。熱心に上川氏の研究をしてきたが、どうしても解けない謎があった。その謎を本人に確認したいというのだ。八十歳を過ぎて自分の人生に意味があるのかと考えるようになっていた鮫川が、念願だった上川岳満に会えたとき、何を思ったのかー。

『母の心得』死んだ娘に会いたいと希望する二組の依頼人。五年前に六歳だった娘を水難事故で亡くした重田夫妻と、二十年以上も前にまだ二十代だった娘を乳がんで亡くした時子。「守ってあげられなかった」「丈夫に産んであげられなかった」そんな思いを抱えた母親たちがそれぞれの娘たちと再会する。母の愛の深さを感じる物語。

『一人娘の心得』歩美の勤務先のおもちゃ会社と取引があった鶏野工房の大将が亡くなった。その一人娘の奈緒は、生前の父に工房を継ぎたいと伝えていたが、父の気持ちが分からないままだった。そのため奈緒は自分が工房を続けてよいものかどうか悩んでいた。そんな奈緒に、歩美は思わず「会ってみませんか?」と使者の役目を明かしてしまいそうになるー。

『想い人の心得』もう何度となく同じ相手への再会を依頼し、その都度断れ続けてきた蜂谷。そして今年もその蜂谷から再会の依頼が歩美の元に届く。今度こそは、蜂谷の想い人は会ってくれるのかー。そして歩美自身にも自分の気持ちを伝えたい大切な人がいることに気がつく。

ケセラ

『ツナグ』が未読の場合でも、続編である本作『ツナグ 想い人の心得』から読んでも話が分からなくなることはありません。ただ、前作の登場人物のその後も描かれているので、前作の『ツナグ』から読む方がもちろんおすすめです。

松坂桃李主演、映画『ツナグ』作品情報

映画『ツナグ』のキャスト・スタッフ

【監督・脚本】平川雄一朗
【出演】松坂桃李(渋谷歩美)、 樹木希林(渋谷アイ子)、佐藤隆太、桐谷美玲、橋本 愛、大野いと、遠藤憲一、別所哲也、本上まなみ、浅田美代子、八千草薫、仲代達矢

ドラマ「JIN -仁-」や「Rookiesー卒業ー」の平川雄一朗監督が、脚色も手掛けて映画化。樹木希林さんが、歩美役の松坂桃李さんの祖母の役で出演されています。醸し出される独特な雰囲気と不思議な魅力が樹木希林さんならではですね。

映画『ツナグ』のあらすじ

映画では、土地の権利書の在処を病死した母親から聞き出したい畠田、交通事故で突然死んでしまった親友に会いたい女子高生の嵐、失踪して生死もわからない恋人を待ち続けている土谷の三人の依頼者が同時に描かれ、それぞれのエピソードが進んでいく。そして歩美の両親の不可解な死の真相も明らかになり、歩美は「使者(ツナグ)」の後継者となることを決心する。

映画『ツナグ』が観られるおすすめ動画配信サービス

Hulu

見放題6万本以上の作品が定額見放題。海外ドラマやオリジナル作品も豊富

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月額1,026円(税込)

Amazon Prime Video

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\ 30日間無料 /

月額500円(税込)

※本作品の配信情報は2020年5月9日時点のものです。配信が終了している、または見放題が終了している可能性がございますので、現在の配信状況については各ホームページもしくはアプリをご確認ください。

ケセラ

Huluなら同じく辻村深月さん原作のドラマ『鍵のない夢を見る』も見放題で観ることができますよ!

「鍵のない夢を見る」

地方都市に住む女性たちがちょっとだけ道を踏み外してしまう、そんなエピソードを集めた短篇集です。登場する女性達は、やるせなくてどうしようもなくて、でもなぜか応援したくなってしまいました。ドラマは全5話で倉科カナさん、成海璃子さん、木村多江さん、高梨臨さん、そして広末涼子さんが、それぞれのストーリーのヒロインを演じています。

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以上、この記事では、辻村深月「ツナグ」関連情報をまとめました。

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