映画「劇場版コード・ブルー」10年間の集大成。回り道は悪いもんじゃない

映画「劇場版コード・ブルー」10年間の集大成。回り道は悪いもんじゃない

興行収入86億円を突破し、大ヒットを記録している「劇場版コード・ブルー」。7月の公開から2か月も遅れて、やっと観てきました。

作品紹介

山下智久や新垣結衣、戸田恵梨香らの共演で、ドクターヘリ緊急救命の現場や、そこで働く若者達の成長と絆を描いた人気テレビドラマシリーズを映画化。2008年7月の放送以来、連続ドラマ3シリーズ、スペシャルドラマ1作品が放送された。本作の舞台は、2017年に放送された3rd Seasonの3か月後となる。

キャスト・スタッフ

【監督】西浦正記
【脚本】安達奈緒子
【出演者】山下智久(藍沢耕作)新垣結衣(白石恵)、戸田恵梨香(緋山美帆子)、比嘉愛未(冴島はるか)、浅利陽介(藤川一男)、有岡大貴(名取颯馬)、成田凌(灰谷俊平)、新木優子(横峯あかり)、馬場ふみか(雪村双葉)、新田真剣佑(岸田彰生)、かたせ梨乃(雪村沙代)、山谷花純(富澤未知)、丸山智己(緒方博嗣)、平埜生成(杉原剛志)、杉本哲太(西条章)、安藤政信(新海広紀)、椎名桔平(橘啓輔)

あらすじ

地下鉄トンネル崩落事故から3か月後、旅立ちの時が迫る藍沢たち。その旅立ちが「別れ」を意味することに気づきながらも、彼らは10年間を共にした互いへの思いを抱えたまま、日々を過ごしていた。

しかしそんな彼らの思いに構うことなく、出動要請が入る。成田空港への航空機緊急着陸事故と、東京湾・海ほたるへの巨大フェリー衝突事故という、「空」と「海」を舞台にした未曽有の大事故が連続発生。

史上最悪の現場に、彼らはいかに立ち向かうのか。
そしてその先に、答えはあるのかー。 (公式HPより)

映画を観る前に、観た後に、ドラマシリーズの復習

もちろん、ドラマシリーズを観ていなくても、映画は映画として楽しめます。しかし、10年に渡って続いたシリーズなので、映画を観る前にドラマシリーズを復習しておいた方が、より感動すると思います。そして、映画の中でも過去の回想として、ドラマのシーンや映像が使われているので、あのシーンをもう一度観たいなとドラマシリーズをもう一度観たくなります。ループにハマります。

Toko point見どころ・感想

どのシーンで泣いた? 3つの泣きどころ

今回、最初から泣かせに来てるな!というシナリオでした。出来事が盛りだくさん過ぎて、人間ドラマを詰め込み過ぎて、一つ一つの深みが少し足りないなあと感じるところはありましたが、はい、それでも涙腺が弱いので泣きまくるわけです。

1.余命わずかの花嫁

末期がんに侵された女性が結婚式に向かうも、吐血して運ばれてくる。誰もが式までもたなかったのかと思った瞬間、彼女の左手薬指には指輪が! 実際に指輪を交換しているシーンやセリフはないけれども、想像して泣けてしまうシーンでした。

2.脳死の少年

海ほたるに巨大フェリーが衝突した事故で、溺れて発見された14歳の少年が脳死と判定される。そして荷物からは、臓器移植意志表示カードが見つかり、少年の両親は、息子の死を受け止め臓器移植に同意をするかどうかで苦悩します。3rd Season 第6話で描かれた脳死と臓器移植問題。正直、また同じネタ?と思うかもしれませんが、何度も扱う意義のある難しい問題ではないかと思います。ドラマ版では、衝撃的な臓器敵出シーンが描かれ、話題となりました。本作では、過去に臓器移植を受けた橘先生の息子の心臓の音を、少年の両親が聴くというシーンがあります。「誰かの命となって生き続ける」そんなことは分かっていても「もし、自分の子供だったら……?」と思うと心が締め付けられる思いでした。

3.児玉清さん

救命センター初代部長、田所良昭役の児玉清さん。「アタック25」などの司会でも親しまれましたが、2011年に亡くなりました。本作では、ドラマ版の映像が使われていてその姿をスクリーンで観ることができます。田所先生が何者かを知らないと感動が半減しますので、ドラマ版で復習してから映画版を観ることをおすすめします。

「回り道は悪いもんじゃないですよ、緋山先生 (田所先生-Season2 第9話)

何でもかんでもショートカットで効率よく進めればいいということではなく、回り道したからこそ分かることってあると思います。それでも、他人の比較したりして焦ってしまったり卑屈になってしまったりするものです。ドラマの中ではありますが、こんな風に言ってくれる人がいるということが羨ましくも思います。とても心に沁みるセリフでした。

コード・ブルーの最終回としての集大成映画

劇的な展開に欠けるという感想を持つ方もいるかと思います。映画ならではのことをやるというよりも、まさにコード・ブルーの最終回を映画でやりましたという作品になっていました。10年間の間に、後輩のフェロー達を育てる立場へと、そして自分の専門性を高める立場へと成長しています。その先にある、決して別れではない「旅立ち」を見せるための作品でした。

藍沢役の山下智久さんだけではなく、新垣結衣さん(白石恵役)、戸田恵梨香さん(緋山美帆子役)、比嘉愛未さん(冴島はるか役)、浅利陽介さん(藤川一男役)の主要5人のメンバーが、一人も欠けることなく10年間に渡り出演し続けていることが大きいと思います。5人の皆さんは活躍の場を広げ、今も数々の話題作に出演されています。それは、さながら作品の中で数々の試練にぶつかりながらも成長をしてきた登場人物達のようです。

最終回というとドラマファンとしては寂しいものがありますが、メンバーを入れ替えて、あるいは若いメンバーを主役にして……、というシリーズの続編は、正直あまり興味が湧かないので、映画版である本作がスッキリとした終わり方で良かったです。