映画「彼女がその名を知らない鳥たち」あらすじ・感想｜動画配信まとめ

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この記事では、映画『彼女がその名を知らない鳥たち』のあらすじや見どころ、キャスト、全話観られるおすすめの動画配信サービスをまとめて紹介します。

「イヤミス」の名手、沼田まほかるのミステリー小説を蒼井優、阿部サダヲ主演、『凶悪』の白石和彌監督で映画化した作品です。

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映画『彼女がその名を知らない鳥たち』あらすじ・感想
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映画『彼女がその名を知らない鳥たち』あらすじ・感想

彼女がその名を知らない鳥たち　特別版/Ｂｌｕ－ｒａｙ　Ｄｉｓｃ

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映画『彼女がその名を知らない鳥たち』のスタッフ・キャスト

【監督】白石和彌
【脚本】浅野妙子
【出演】蒼井優(北原十和子)、阿部サダヲ(佐野陣治)、松坂桃李(水島真)、村川絵梨(國枝カヨ)、赤堀雅秋(刑事・酒田)、赤澤ムック(野々山美鈴)、中嶋しゅう(國枝)、竹野内豊(黒崎俊一)
【製作年】2017年

映画『彼女が知らない鳥たち』のあらすじ

北原十和子は、散らかった部屋で自堕落な生活を送っている。百貨店に壊れた腕時計の修理のことで何度も電話をしたり、レンタルDVDショップでは途中で画面が止まったと難癖をつけたりするクレーマーの十和子。

そんな十和子が一緒に暮らしているのは、15歳年上の陣治。下品で汚い陣治に嫌悪感を抱きながらも、陣治に生活の全ての面倒を見て貰っている。十和子には忘れられない昔の恋人、黒崎がいた。陣治の不在中にホームビデオで撮影した黒崎との甘い日々を眺めては過ごす毎日だ。

十和子にマッサージをしている最中に十和子に愛撫し始める陣治。そんな陣治に対して「真っ黒などうじょうや」と激しく拒絶する十和子。十和子にいくら罵られ蔑まれても、陣治は翌朝には十和子にお小遣いを置いて仕事に出かけていく。

ある日、百貨店に勤務する水島が十和子の壊れた腕時計の代わりの商品を持って訪ねてきた。水島はどこか黒崎の面影のあるいい男。

十和子は水島が持ってきた時計にも難癖をつけて、しまいには泣き出してしまう。そんな十和子に水島は突然キスした。十和子も応え、二人は濃厚なキスをする。その時陣治から電話があり、我に返った水島は時計を持って慌てて帰っていく。

それから数日後、水島は十和子に腕時計をプレゼントする。そのままホテルにいき二人は関係を持った。水島は既婚者だったが、ロマンチックに海外での一人旅の話を語る水島に十和子は惹かれ水島との関係を続けた。

そんなある日、十和子を訪ねてきた刑事から5年前に黒崎が失踪したという話を聞く。

水島とホテルに行った後、誰かの気配を感じ振り返る十和子が見たのは、陣治の姿だった。十和子は陣治に尾行されていた。十和子は黒崎の失踪にも陣治が関わっているのではないかと疑いをもつようになる―。

続きを読む（ネタバレあり）

黒崎のことが気になった十和子は、黒崎の妻、国枝カヨの家を訪ねた。カヨは黒崎が借金まみれで闇金からも追われていたので殺されているのではないかと言う。

そのとき、カヨの叔父の国枝が帰宅した。

国枝を見て驚き怯える十和子。八年前、黒崎は国枝に取り入るために十和子を抱かせていたのだ。十和子は逃げるように国枝家から飛び出した。

八年前、十和子は黒崎のために国枝にも抱かれたのに、黒崎は国枝の姪のカヨと結婚するという。車の中で動揺して騒ぐ十和子を黒崎は殴り車から引きずり降ろした。その後も十和子を執拗に殴り自分達の関係をバラすなと脅したのだった。

水島の妻が嫌がらせされたり、水島の大事な書類がなくなったりする事件が起きた。水島は陣治の仕業ではないかと疑って、十和子にしばらく会わないようにしようと伝える。十和子はますます陣治のことを疑うようになる。

しかし、水島が他の女と食事をしていたり、十和子に贈った腕時計が安物だったり、水島が語っていた海外の一人旅の話も本の内容だったと知り、水島がただ性欲のはけ口として十和子を利用していたことを知ってしまう。

そして、十和子は水島をナイフで刺してしまう。そこへ止めに入る陣治。

十和子は五年前のことを思い出した。黒崎を殺したのは十和子だったのだ。

久しぶりに連絡をしてきた黒崎は、もう一度国枝に抱かれて欲しいと十和子に頼んだのだ。妻と別れて十和子を一生大切にすると約束する黒崎。そんな黒崎を十和子は衝動的に刺してしまった。

黒崎の死体の後始末をした陣治は、十和子が黒崎を殺したことを忘れてしまったことを知る。陣治は全てを隠し、十和子の記憶が戻らないことを願いながら一緒に暮らしていた。

高台の公園で過去に起きた事のすべてを陣治から聞く十和子。

陣治は「楽しかったな」と十和子との生活を振り返り、十和子が思い出したことは全部俺が持っていくから、まともな男と幸せになって「俺が十和子の腹の中に入るから、俺を産んでくれ」と、公園のフェンスから飛び降りた―。

陣治との日々を思い出しながら陣治の深い愛を知り、十和子が呟く

「陣治、たった一人の私の恋人」

共感度ゼロの最低な登場人物たちに共感してしまう……

「共感度ゼロ％の最低な登場人物」というキャッチコピー通り、本当にクズでゲスな嫌な登場人物たち。

蒼井優さん演じる十和子も決して素敵な女性ではなく、嫌な女。それなのに、どんどん引き込まれて、最後には十和子と一緒に涙するという不思議。

阿部サダヲさん演じる陣治も不潔で汚い男で、なぜ十和子が一緒に暮らしているのだろうと不思議に思いますが、最後にその謎が解けると驚くくらいに陣治が愛すべきキャラクターに変わっています。

そしてクズでゲスな男達を演じた竹野内豊さんと松坂桃李さんも、存在感溢れる演技で本当にクズでした。（褒めてます）

竹野内豊さんが演じた黒崎は本当に最低な男ですが、竹野内さんが醸し出すセクシーないい男っぷりには十和子がどうしようもなく惹かれてしまうのも分かります。そして、電話の声も色っぽい。過去の男なのである種まぼろし的に描かれるシーンもありますが、「忘れられない男」という存在感が素晴らしかったです。

また少しネタバレになってしましますが、松坂桃李さん演じる水島真は軽くて、女を性欲のはけ口くらいにしか見ていない男です。ナイフで刺されるシーンでは、その逃げていく時のヘタレぶりといったら本当に最低な男だなあと思わせる演技でした。

本作は、俳優の皆さんの演技が本当に素晴らしくて、そんな最低な登場人物達にどんどん感情移入していってしまうんですよ。

そして、最後のシーンでは泣いている自分に驚きました。

白石監督作品の中でもとてもおすすめな作品です。

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原作は沼田まほかるの同名小説

イヤミスの名手、沼田まほかるさんの同名小説です。映画では原作とは違うセリフもあります。

彼女がその名を知らない鳥たち

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沼田まほかる幻冬舎 2006年10月

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