映画「岳」山岳遭難救助を舞台に、命の大切さと人の優しさを感じて

映画「岳」山岳遭難救助を舞台に、命の大切さと人の優しさを感じて

作品紹介

原作は、石塚真一による山岳救助を題材とした漫画「岳 みんなの山」(小学館「ビッグコミックオリジナル」連載)。マンガ大賞2008、第54回小学館漫画賞一般向け部門、第16回文化庁メディア芸術祭漫画部門優秀賞を受賞している。

キャスト・スタッフ

【原作】石塚真一
【監督】片山 修
【脚本】吉田智子
【出演者】小栗旬(島崎三歩)長澤まさみ(椎名久美)佐々木蔵之介(野田正人)、石田卓也(阿久津敏夫)、矢柴俊博(座間洋平)、やべきょうすけ(安藤俊一)、浜田学(関勇)、鈴之助(守屋鉄志)、尾上寛之(遭難する青年)、波岡一喜(三歩の親友)、森廉(青木誠)、ベンガル(遭難者の父)、宇梶剛士(横井修治)、光石研(梶一郎)、中越典子(梶陽子)、石黒賢(椎名恭三)市毛良枝(谷村文子)、渡部篤郎(牧英紀)

あらすじ

日本の登山人口1230万人。高くそびえる山の頂には見たこともない絶景が広がっている。その感動を求めて、毎年、多くの人々が山を訪れている。しかし同時に遭難事故者も絶えず、その数は年間およそ2000人と言われる。山には喜びと共に危険も存在する。にも関わらず、人は今日も山の頂へと向かう。自分の足でつかみとった美しい風景を求めて――。

日本有数の名山・北アルプス山系に、そんな山のすばらしさを誰よりも知る男がいた。彼の名は島崎三歩。北アルプスを庭に生まれ育ち、ヒマラヤや北南米、世界中の巨峰を登り歩き、高度な山岳技術と、あらゆる山の知識を会得してきた名登山家だ。日本に戻ってからはその能力を生かして山岳救助ボランティアとして登山者たちの命を守っている。三歩は、まるで山のように大きな包容力を持ち、例え自分の過失で遭難した者に対しても決して責めることはしない。仮に要救助者が死んでしまっていても、そのもの言わぬ遺体に向かって「よく頑張った」と労わりの声をかける。誰よりも山を愛する三歩の願いは、山の魅力を多くの人に知ってほしいということ。三歩にとっては、山は「生きる」ことのすばらしさを再認識する場所でもある。だから、どんなアクシデントに出会っても三歩は決して諦めないのだった。

長野県警 北部警察署 山岳遭難救助隊の隊長・野田正人は、三歩と共に山に登った経験もあり、彼に絶大な信頼を置いていた。ある年の春、野田の下に新人女性隊員・椎名久美が配属されてきた。彼女は秘めた思いを抱いていたが、それを語ることなく、一人前の救助隊員になるため阿久津敏夫ほか若い隊員たちと共に日夜訓練に励むのだった。三歩も久美の指導に当たった。やる気に満ちた久美だったが、実際の救助現場では実に過酷な出来事が待ち受けていた。ある時は、父親を遭難で亡くした少年の姿を目の当たりにして言葉を失ったり、またある時は、遭難者の命を救うことができず自分の未熟さにうちひしがれることもあった。谷村山荘の女主人・文子に慰められるが、自然の猛威の中では無力な自分に苛立ち、焦りはじめていくのだった。それに比べて三歩は何にも動じない。そんな彼の大らか過ぎる言動に久美は反発を覚えていく。

そんな折、自分の不注意で失態をおかしてしまった久美に、空の達人・昴エアレスキューのパイロット 牧 英紀の厳しい言葉が飛ぶ。
一方、野田は久美に三歩の笑顔に隠された思いを語り聞かせるのだった。
そして、本格的な冬シーズンが訪れたある日、雪山で猛吹雪により多重遭難が発生した。仲間と共に救助に向かう久美を待ち受けていたものは想像を絶する雪山の脅威だった。その時、久美の取った行動は……? そして、三歩は……!?…。

(東宝HPより)

原作

原作は、石塚真一による山岳救助を題材とした漫画「岳 みんなの山」(小学館「ビッグコミックオリジナル」連載)。マンガ大賞2008、第54回小学館漫画賞一般向け部門、第16回文化庁メディア芸術祭漫画部門優秀賞を受賞している。

Toko point見どころ・感想

見たことがない小栗旬がいる

山をこよなく愛し、その大自然のように大きな包容力を持ち、何事にも動じない三歩を演じた小栗旬さん。スクリーンの中にいるのは、小栗旬、その人ではなかった。撮影前にトレーニングをしたというその風貌もさることながら、表情の作り方が、他の作品とは全く違います。それは、イケメン俳優小栗旬の笑顔ではなく、不格好ともいえる山の男の笑顔。

他にも多くのコミック原作の実写化で様々なキャラクターを演じてきた小栗さん。原作のキャラクターを自分の中でかみ砕いて、形にして表現することが本当にうまい俳優さんだと思います。もしかしたら、原作のイメージと違うと思った方もいるかもしれません。しかし、三歩は、住所不定、無職、山のことしか考えていない人。そんな現実世界から掛け離れたキャラクターを、人間味溢れる山男として魅力的に演じられていると思います。

そして救助隊長の佐々木蔵之介さんと、救助ヘリのパイロット役の渡部篤郎さんが出てくると、場面がぐっと締まって緊張感のある感じになりますね。

雄大な自然と人間ドラマ。山に行きたくなる?

本作のロケ地は、奥穂高岳など北アルプスで、実際に雪山で撮影されたそうです。

序盤、山のことを知らない観客は、新人救助隊員の久美(長澤まさみ)の視点で本作を観ていくことになると思います。そして、やはり衝撃的だったのは、遭難で亡くなった方の遺体を崖の下へと投げ落とすシーン。山岳救助にあたっては、時に非情な決断さえ迫られる。そんな厳しい現実を目の当たりにします。そして、ショックを受ける久美と観客をよそに、その直後も、モリモリとご飯を食べる三歩。きっと三歩の行動には意味があるんだろうと予想はしながらも(実際に意味があります)、その行動に疑問を持つことで、より物語に惹き込まれていきました。

そして、自然の厳しさを通して命の大切さだけではなく、久美をはじめとする山岳救助隊のメンバーや、登山をする父と息子、父と娘、あるいは、友人、仲間と、さまざまな人間関係、苦悩、そして成長が描かれるところが、本作の見どころです。途中、久美の迂闊すぎる行動にはハラハラさせられますが、登山を通して繰り広げられる人間ドラマに素直に感動します。

さて、山に行きたくなるか……? うーん、体力がないのでいつか……。

やっぱりこのセリフ

「また山に来てよ」(三歩)

キメ台詞です。自然と同化したような三歩は、自らの過失で遭難してしまった者にも「また山に来てよ」と言うんです。すべてを受け止めてくれる三歩は、山そのもの。単に、山の魅力を伝えたいということだけではなくて、三歩のその言葉を掛けられることで、許されて、あるいは癒されて、「生きる」ために前に一歩進めるような、そんな言葉でした。

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